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医療法人優なぎ会 もりもと病院 〒847-0056 佐賀県唐津市坊主町441号 TEL:0955-72-5176

診療時間

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14:00~17:00 × ×

※日曜日・祝日は休診です。

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診療案内/Medical-Assistance

もりもと病院は、地域に根ざし、心の不調をケアする精神科病院です。
精神科では、うつ病、躁うつ病、適応障害、不眠症、神経症、強迫性障害、統合失調症、アルコール依存症、認知症、ASDやADHDなど、様々な病気に向き合います。
どの精神科医も対応疾患の得意、不得意があるかと思います。当院ではアルコール依存症に対してアルコールリハビリテーションプログラムも行っています。
私は、うつ病の患者さんが好きです。病気によってもともとの健康度が落ちますが、最終的には回復を期待できる疾患だからです。うつ病の患者さんが、不安感や悩み事を話されますが、その話しを聞くことも好きです。これは私の特性なのかもしれません。診察が終わり、診察室から患者さんが出るときに、何か笑顔というか、少し表情が和らいでいる姿を見ると、嬉しくなります。
しかし、うつ病の薬物治療抵抗性の方おられ、付き合いが長い人は15年以上通院されていますが、なかなか良くならない患者さんもいます。15年以上経ちますから、薬剤もかなり調整したり色々なことをトライ、アドバイスしましたが、低空飛行状態が続いています。患者さんが、良くなることをあきらめてしまっている感もします。私も、世間話や日常の悩み事をしながら、薬を処方するとう感じになり、「これ以上悪化させない」ということに主眼を置き、「今よりも良くする」ということを意識しなくなってしまいます。
 その様な中、2019年6月よりrTMSという、難治性うつ病の治療が保険診療の適応となりました。薬物治療と異なり、有害で持続的な副作用もほとんど無く、何よりも今まで何をしてもうまくいかなかった患者さんを良くする可能性があるということで、当院でも2019年11月より治療を行っています。2020年1月現在で計7人の方に行っています。
 精神科の病気は、周囲から理解されにくく、御本人はとても辛いという病気です。苦しんでいる方の健康度があがることを意識し、診療を日々行っています。

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49 歳  女性  


【訴え】

夜が眠れない。やる気が起きない。

【生活歴】

離婚をされ、現在単身生活。お子さんはおられるが、独立している。

【病歴】

平成29年より、食品販売店で接客の仕事をしている。
 平成30年1月頃より、不眠や意欲低下が生じるようになった。原因は、父親の介護を行う必要が出てきたことと、職場の人間関係が主ではないかと言う。
 平成30年4月に、職場の仲が良い同僚が配置転換となることが分かった。数少ない仲の良い同僚であったが、異動がわかり、非常に驚いたのと同時に、さらに自分の仕事量が増えるであろうということも予想され、気分がさらに滅入るようになった。
 夜は眠れず、飲酒量が増えている。食事は入らず、おいしいと感じることは無く、何か砂を噛んでいるような感じがする。0時位に寝て、夜中の3時位には目が覚め、そのまま朝まで眠れない状態が続いている。仕事中はぼんやりし、ミスも目立つようになり、4月中旬からは仕事を休んでいる。

【治療経過】

この方は、うつ病の診断で治療を外来で行いました。
 うつ病の症状として、不眠と食欲低下は比較的典型的に認めます。夜間眠れないと、不安感も強まって、飲酒量が増える方が結構な数おられます。アルコールは不安感を一時的に紛らわせる効果はありますが、睡眠の質を下げ、さらに不眠を増悪させます。
 不眠や食欲低下などの症状が持続的に2週間以上続く場合は、医療機関を受診されることをおすすめします。
 この方は、抗うつ剤を主体とした薬物治療と、自宅療養を行い、抑うつ症状の改善を認め、職場復帰されました。治療開始後、8カ月程度で診療は終了となりました。


45 歳  男性  


【訴え】

辛いです。死にたいです。

【生活歴】

結婚し、高校生、中学生のお子さんがいる。

【病歴】

大学卒業後、銀行員として勤務している。もともと誘引無く気分の落ち込みが生じることがあったが、1週間程度で回復していたので、特に医療機関を受診することは無かった。
平成29年になり、支店長に昇進した。出世し、本来は誇らしいはずであるが、責任が増大し、店舗の成績を気にし、次第に残業時間が増えるようになった。
その後、次第に朝、当たり前に行っていたことがひどくおっくうに感じるようになった。ベッドから起きることも辛く、まるで身体が鉛の体になってしまったかのように重く感じるようになった。毎朝ネットで経済記事をチェックしていたが、そのようなことも行わなくなった。
自分が周りに迷惑をかけている、自分が支店長になったばかりに、周りの部下に迷惑をかけている、と思うようになった。このままだったら、仕事を辞めないといけないし、家族に迷惑をかける、と思い、最終的には「自分が死んだほうがいい」と思うようになった。ある日、死に場所を探し、山に行った。そこから先の記憶ははっきりとしていない。ロープを持って死のうと思っていたが、死にきれなかった。

【治療経過】

バリバリと働いている方が、昇進など通常は良いことと思われることで、うつ病を発病することがあります。真面目で責任感のある方が、期待された職務を全うできずに、次第に抑うつ症状が出ることがあります。男性の方であれば、毎朝のルーチンがこなせない、女性の方であれば、毎日行う家事(特に料理など複雑な家事)がこなせない、ひどく時間がかかるということで、周囲に気づかれることもあります。
 うつ病の究極の症状は「死にたい」です。辛い状況から解放されたい、周りに迷惑をかけたくない、という気持ちなどから生じます。
 この方の様に切迫した「死にたい」という気持ちがある方は、入院加療が必要となります。
入院され、やはり薬物治療と休養を行い、1か月程で退院されました。退院後、定期的に通院されています。現在は復職し、特に症状は再燃していません。


24 歳  女性  


【訴え】
(母親から)色々聞こえてきて辛いみたいです。興奮して大声を出して暴れて、家ではこれ以上対応できません。

【生活歴】

両親と本人の三人暮らし。

【病歴】

高校卒業後、家事手伝いをしていた。22歳頃にファミレスで接客の仕事をしていたが、同僚から「消えろ」「ダメ」と言われるような気がし、2カ月程で仕事は辞めた。その後、次第に「お前はダメな奴だ」「死んだほうがいい」など、ひどい内容の声が聞こえるようになった。家に一人でいても、ひどい内容の声が聞こえてくるために、自分の部屋に引きこもって過ごすようになった。幻聴は悪化する一方で、自宅内で興奮して暴れるようになった。器物破損も認め、家族は対応が限界となっている。

【治療経過】

 統合失調症の方です。ファミレスで同僚から言われていたかもしれない、という悪口は幻聴であった可能性があります。被害的内容の幻聴があり、思考のまとまりは悪く、興奮状態でした。統合失調症の治療には基本的には薬物治療が必須です。現在は、さまざまな薬物が開発され、昔と比べると副作用も少なく、社会復帰もしやすくなりました。
 この方は、薬物治療を導入するために、入院治療を行いました。三カ月で退院され、二カ月程自宅で家事手伝いをしたあと、現在は週に5日、工場勤務をされています。初診時は、外観を全くきにする余裕もありませんでしたが、外来では、おしゃれに気を使い、年齢相応の素敵な女性になられています。こういう回復を見ると、精神科医はとても嬉しくなります。自分で稼いだお金でおしゃれをしたり、ライブに行くことが楽しみと言われています。幻聴に関しては、時にかすかに何か言われているような感じがするが、何を言われているか分からない程小さな声になっており、日常生活に支障は出ていません。


37 歳  女性  


【訴え】

お酒をやめたいとまでは思わないけど、量をへらしたい。

【生活歴】

高校卒業、結婚し、現在小学生のお子さん、御主人と暮らしている。

【病歴】

高校卒業、御主人となる彼と、居酒屋に週に2回程行くようになった。ビールをジョッキで3杯ほど飲んでいた。彼の晩酌に付き合うようになり、25歳頃からはビール350mlを6本、9%の酎ハイ500mlを2本ほぼ毎日飲むようになった。職場の健康診断にひっかかることは無く、二日酔いも無かった。妊娠中は飲酒はやめていたが、出産後は飲酒を再開した。以前ほどではないが、それでも毎日ビール350mlを3本と酎ハイ500mlを1本飲んでいる。おいしいとは思わないが、毎日飲まないと気がすまない。仕事には支障が出ていないが、家事がおっくうに感じるようになった。何よりも夫も毎日お酒を飲むので酒代が家計を圧迫しており、毎月のやりくりが大変だと言う。毎日飲む自分が嫌になるが、以前楽しかった飲み会を引きずって、毎日飲んでいるのだと言う。

【治療経過】

 この方は、毎日飲酒していますが、日常生活には大きな支障はきたさず、社会生活を送ることができています。飲酒のコントロール障害である、アルコール依存症には該当はしないかもしれません。しかし、一日当たりのアルコール摂取量は60gを超え、多量飲酒者と定義されます。近年、アルコール度数の強い酎ハイが売れています。飲みやすさもありますが、そのアルコール度数は高く、この方のような多量飲酒者に該当する方も多いと思います。
 以前は、アルコール関連障害の治療は、「完全にやめる」か「そのまま飲み続けるか」かの二者択一でした。この方の様に、お酒を完全にやめたいとは思わないけど、何とか量を減らしたい、という方は、治療対象外でした。2019年に画期的な薬が発売されました。この薬剤は、満足する飲酒量を減らす効果があります。節酒剤と言われ、今までは無かった薬剤です。この方は、定期的に通院され、飲酒量を記載したノートを持参し、日々の飲酒行動を一緒にふりかえりアドバイスを行っています。節酒剤も使っています。
 現在は、週に3日程に飲酒日が減り、飲む時もビール350mlを2本に飲酒量も減りました。以前と違い、台所に立った瞬間にお酒を飲むことが無くなり、子供の用事で夜運転ができるようになったことがうれしいと言われています。
 当院では、アルコール依存症の方の断酒治療だけではなく、節酒治療も行っております。止めたいとまでは思わないけど、減らしたいと思われる方は受診をおすすめします。